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«音の波の向こうにあるもの»

どうして人には好きな「音」と、生理的に嫌いな「音」があるのか・・・

「音」は人間や動物の身体や心理にどのような影響を与えるのか・・・

幼い頃からわたしはそのことがとても気になっていました。

ずいぶん以前のことですが、平和なビーチを襲う巨大人食い鮫( ホオジロザメ)の恐怖と、それに立ち向う人々を描いた映画『ジョーズ』のサウンドトラックを流すと、それを聴いている犬の心拍数が無意識の内に上がるという実験をテレビで放映しているのを観ました。犬はテレビの映像を観ていませんでした。純粋にサウンドトラックだけを聴いていたのにも関わらず、心拍数が上がったのです。

「音」と動物の身体や心理との関係について深く調べたいと益々真剣に考えるようになりました。

更にその思いに拍車をかけることになったのは、我が家にいるスコティッシュフォールドの飼い猫「りり」でした。

その日りりは自分の定位置であるソファーで身体を丸くして寝ていたのですが、グレン・グールドが弾くJ.S.バッハの『ゴールドベルク変奏曲』のアリアが小さな音量でスピーカーから流れ始めた途端、顔を上げ、首を大きく伸ばし、まるで宙にいる誰か(何か)を探すかのようにきょろきょろと辺りを見渡し始めたのです。

しばらく宙を眺めた後、りりはまた何ごともなかったかのように元の状態に戻りました。

動物にも好きな「音」や嫌いな「音」があるのか。

動物の感性は、人間の感性と同じなのか。

エネルギーの状態を視覚的に表す非線形分析システムのMetatronとの出会い、そしてそのMetatronをスポーツや教育などの分野で活かそうとする仲間たちとの出会いを契機に、「音」(波、音波)とそれを受け取る「主体」との関係について考えるわたしの模索の旅が本格的に始まりました。

音や楽器の趣向、好みの音楽が存在する理由、音楽が感情に与える影響、音楽が身体に与える影響・・・

これまで自分が当たり前だと思っていたものを一つ一つ丁寧に見つめ直していく過程でわたしは「音(音楽)」が持っている「癒し」の効果に強く興味を抱き、惹かれるようになりました。

どうすれば人は「音楽」によって癒されるのか。

人を癒すような「音楽」を奏でるにはどうすればいいのか・・・

既に街にあふれている癒し効果を目的としたサウンドを更に深く掘り下げ、それぞれ一人ひとりの心身の状態や条件に合ったオーダーメイドの癒しの「音楽」を生み出すことはできるものなのか、できるとすれば、それを生み出すためにはどうしたらいいのか・・・

それを研究することがわたしの課題となりました。

音楽の癒しの効果については、今更わたしがあれこれ語るまでもなく、原始時代の頃から「音楽」と「医学」は兄弟のような関係にあったことは周知の事実です。音楽療法も今や確立された存在として幅広く世界中の医療現場等でも実践されています。

それぞれ一人ひとりの心身の状態や条件に合ったオーダーメイドの癒しの「音楽」を生むためにはどうしたらいいのか・・・。

非線形分析システムによって可視化されたエネルギーの流れに目を向け、素直に寄り添うことによって、その先にある答えが見えてくると信じています。

ピアニスト宮﨑朋菜